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デジタル化・AI導入補助金2026 セキュリティ対策推進枠とは?個人事業主でも使える?

デジタル化・AI導入補助金のセキュリティ対策推進枠は、独立行政法人IPA認定のセキュリティサービスを導入する事業者向けの枠。対象となるサービス、IT SSの選び方、個人事業主が使う場合の注意点を解説。

公開: 2026-04-05 最終確認日: 2026-04-21

結論: IPA認定「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を導入する事業者向けの専用枠

デジタル化・AI導入補助金のセキュリティ対策推進枠は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が認定する**「サイバーセキュリティお助け隊サービス」**を導入する場合に使える枠です。個人事業主・中小企業向けに設計された、サイバーセキュリティ対策のパッケージサービスを対象としています。

この記事では、セキュリティ対策推進枠の対象・要件・個人事業主が使う場合の注意点を整理します。

セキュリティ対策推進枠の基本

対象

  • 中小企業・小規模事業者・個人事業主
  • サイバー攻撃のリスクに備える必要がある事業者
  • 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を新規導入する事業者

目的

ランサムウェア・フィッシング・不正アクセスなどのサイバー脅威が拡大する中、個人事業主や中小企業でも対応可能なセキュリティ対策を普及させること。

補助対象サービス

セキュリティ対策推進枠の対象サービスは、以下の3条件をすべて満たすものです:

  1. IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービス」リスト掲載
  2. IT導入支援事業者が提供するサービス
  3. 事務局に登録済みのITツール(ITツール検索で確認可能)

「IPA掲載だけ」「事務局登録だけ」では対象にならないため、3条件の揃い具合は事前確認が必須です。お助け隊サービス自体は以下の要件を満たす中小企業・小規模事業者向けパッケージ:

  • 監視(ネットワーク監視)
  • 相談窓口(セキュリティインシデント相談)
  • 駆けつけ(被害発生時の専門家派遣)
  • 事後対応(被害拡大防止、復旧支援、事故時保険)
  • 上記をワンパッケージで提供

また、申請前手続きとして**「SECURITY ACTION」宣言**(IPA が提供する中小企業のセキュリティ対策取り組み宣言)の実施が必要なケースがあります。詳細は申請前手続きページで確認してください。

サイバーセキュリティお助け隊サービスとは

IPA のサイト(https://www.ipa.go.jp/security/otasuketai-pr/)で認定サービス一覧が公開されています。主なサービス提供事業者は以下(変動あり・公式サイトで最新確認必須):

  • 大手セキュリティベンダー系サービス
  • 通信キャリア系(NTT東日本・西日本・KDDI等)
  • 地域ITベンダー系

各サービスは月額3,000円〜10,000円程度のパッケージが中心で、以下を一括提供:

  1. ウイルス・マルウェア対策: 全端末でのウイルス対策ソフト配布
  2. ネットワーク監視: 24時間365日の不審通信監視
  3. インシデント対応: 感染時の駆けつけ・復旧支援
  4. 相談窓口: セキュリティ全般の相談
  5. サイバー保険: 被害時の補償

セキュリティ対策推進枠の補助対象経費

公式の扱いでは、補助対象はおおむね**「登録サービスの利用料(最大2年分)」**が中心です。初期設定費・機器レンタル費・研修費等はサービス利用料に含まれている場合に限って対象となりやすく、これらを単独で個別に積み上げるのは対象外になるケースが多い点に注意してください。

費用項目対象になりやすさ
登録お助け隊サービスの利用料(最大2年分)
サービス利用料に内包された初期設定・導入支援○(サービスの一部として)
別途請求の機器(ネットワーク監視機器等)のレンタル費× 対象外になりやすい
別途請求の研修費× 対象外になりやすい
最大補助対象期間を超えるランニング費×
お助け隊サービス外の単独ソフト(Norton 等)×

正確な対象範囲は狙う公募回の公募要領・サービス提供事業者への確認が必要です。

個人事業主が使う場合の注意点

注意点1: 対象サービスの個人事業主対応

お助け隊サービスは主に中小企業向け(10人〜100人規模)を想定した設計のものが多く、個人事業主単独で契約できるサービスは限られます。

対策: 事前に各サービス提供事業者のサイトで「個人事業主契約可」を確認。対応していない場合は別のサービスを検討。

注意点2: 既存のセキュリティソフトとの関係

既にESETやノートン等の個人向けアンチウイルスを契約している場合、お助け隊サービスとは併用可能だが、「既存ソフトを解約してお助け隊サービスに統合」するケースが多い。

注意点3: 業務PCの台数・規模要件

サービスによっては「5台以上」「法人契約のみ」等の要件があり、個人事業主(PC 1-2台)には過剰になる場合も。パッケージサイズが合うかを確認。

注意点4: サービス提供地域

地方の個人事業主の場合、駆けつけサービスの対応エリア外となる場合がある。事前確認。

事業計画書のポイント

セキュリティ対策推進枠は「販路開拓」が主眼ではないため、事業計画書では以下の観点で書く:

1. セキュリティリスクの具体性

❌ 「セキュリティ対策は必要だから」 ✅ 「顧客情報をクラウド管理しており、ランサムウェア被害時は取引先への補償義務が発生する可能性がある」

2. 導入による効果

  • リスク低減の定量化(例: インシデント発生時の想定損失額)
  • 取引先からのセキュリティ要件への対応(BCP・サプライチェーン対策)
  • 取引先拡大への効果(セキュリティ対応企業として選ばれやすくなる)

3. 現状の課題との接続

  • 既存の対策では不十分な点
  • お助け隊サービスで解決される課題
  • 自社単独では専門人材が不足

セキュリティ対策推進枠 vs 通常枠

セキュリティ系サービスを通常枠で申請する場合、通常枠の業務プロセス要件を満たす必要があります。セキュリティソフト単独を「通常枠で申請すればOK」と安易に考えるのは危険で、実務上はオプション扱いになるケースもあります。

項目セキュリティ対策推進枠通常枠
対象サービス3条件を満たす登録お助け隊サービス業務プロセス要件を満たす登録ITツール
補助率・上限枠独自通常枠の設定
セキュリティソフト単独対象外通常枠の要件(業務プロセス)を満たす登録ITツールのみ対象。単独セキュリティソフトは対象にならない場合が多い
推奨ケース中小企業・小規模事業者の総合セキュリティ対策業務プロセス改善と紐づく全般的なIT導入(セキュリティはその付属)

よくあるNGパターン

NG1: お助け隊サービス以外で申請

単独のアンチウイルスソフト(ESET、ノートン等)をセキュリティ対策推進枠で申請 → 対象外。

改善: 3条件を満たす登録お助け隊サービスに切り替える。「通常枠で代替」と安易に考えない—通常枠は業務プロセス要件を満たす登録ITツールが前提で、単独セキュリティソフトはそもそも対象になりにくいケースがあります。

NG2: 既存契約の継続費として申請

既に契約しているお助け隊サービスの継続費用を申請 → 新規導入が原則。

NG3: 交付決定前に契約

採択通知後すぐにサービス契約開始 → 交付決定通知後でないと対象外。

NG4: IPA認定サービス一覧を確認せず申請

IPA認定から外れているサービス、または過去に認定されていたが現在外れているサービスを申請 → 対象外。必ずIPA公式サイトで最新の認定サービス一覧を確認する。

申請前チェックリスト

  • 導入予定サービスが「サイバーセキュリティお助け隊サービス」認定済みか(IPA公式サイトで確認)
  • サービスがIT導入支援事業者提供かつ事務局登録済みか(ITツール検索で確認)
  • SECURITY ACTION宣言等の申請前手続きを実施済みか(申請前手続きで確認)
  • 個人事業主契約が可能なサービスか
  • 既存のセキュリティ契約との重複がないか
  • 事業計画書でリスクの具体性と導入効果を書けるか
  • GビズIDを取得済み
  • IT導入支援事業者経由で申請する(直接契約NG)
  • 交付決定前に契約しない

セキュリティ対策推進枠を使うべき事業者

使うべき事業者像

  • 顧客情報・機密情報をクラウド管理している
  • 取引先からセキュリティ対応を求められる
  • 従業員数名程度で、専門人材がいない
  • BtoB取引でサプライチェーンリスクが問われる

使う優先度が低い事業者像

  • 顧客情報を扱わない個人サービス(例: 実店舗飲食店で顧客DBなし)
  • 既にセキュリティ専任者がいる(外部委託不要)
  • 個人規模でサービスサイズが合わない

まとめ

  • セキュリティ対策推進枠は**「IPAお助け隊サービス掲載」+「IT導入支援事業者提供」+「事務局登録済み」の3条件を満たすサービス**が対象
  • 補助対象は**サービス利用料(最大2年分)**が中心。別途の機器レンタル費・研修費は単独では対象外になりやすい
  • SECURITY ACTION宣言等の申請前手続きも必要なケースがあるため公式で確認
  • 月額3,000〜10,000円のパッケージが典型
  • 個人事業主対応サービスは限定的、事前確認必須
  • 既存ソフトの継続費用は対象外
  • 事業計画書ではリスクの具体性と導入効果が重要
  • 単独セキュリティソフトは通常枠でも対象になりにくい(業務プロセス要件の確認が必要)

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出典・参考資料